「21世紀の浄土真宗を考える会」ブログ(アーカイブ)

親鸞会除名後、多くの方に浄土真宗を伝え2012年7月にご往生された近藤智史氏のブログ

唯信鈔文意を読む 3

2009/10/05(月)

唯信鈔文意の第2章 法照禅師の『浄土五会念仏略法事儀讃』巻本中漢讃4句の2番目の句です。
この句については、2箇所に書かれている、2箇所目です。後ろの方に書かれています。

【原文】
おほよそ十方世界にあまねくひろまることは、法蔵菩薩の四十八大願のなかに、第十七の願に、「十方無量の諸仏にわがなをほめられん、となへられん」と誓ひたまへる、一乗大智海の誓願成就したまへるによりてなり。『阿弥陀経』の証誠護念のありさまにてあきらかなり。証誠護念の御こころは『大経』にもあらはれたり。また称名の本願は選択の正因たること、この悲願にあらはれたり。
註釈版聖典 703-704頁

【現代語訳】浄土真宗聖典 現代語版より)
如来の尊号がすべての世界のすみずみにまで広く行きわたるということは、法蔵菩薩四十八願のなか、第十七願に「すべての世界の数限りない仏がたに、わたしの名号をほめたたえられ、となえられよ」とお誓いになった、一乗大智海の誓願を成就されたことによるのである。それは『阿弥陀経』に、あらゆる仏がたが念仏の法を真実であると証明し、念仏の行者をお護りになると示されていることによって明らかである。そのおこころは『無量寿経』にもあらわされている。また、称名念仏が誓われた第十八願は、阿弥陀仏が選びとられた浄土往生の正しい因であることが、この第十七願にあらわされている。

【補足】
“そのおこころは『無量寿経』にもあらわされている。”について
これは大無量寿経下巻の諸仏称歎の文です。

仏、阿難に告げたまはく、「無量寿仏の威神極まりなし。十方世界の無量無辺不可思議の諸仏如来、かれを称歎せざることなし。東方恒沙仏国の無量無数の諸菩薩衆、みなことごとく無量寿仏の所に往詣して、恭敬し供養して、もろもろの菩薩・声聞の大衆に及ぼさん。経法を聴受し、道化を宣布す。南・西・北方・四維・上・下〔の菩薩衆〕、またまたかくのごとし」と。
註釈版聖典 43頁
[現代語訳](浄土真宗聖典 現代語版より
釈尊が阿難に仰せになった。
 「無量寿仏の大いなる徳はこの上なくすぐれており、すべての世界の数限りない仏がたは、残らずこの仏をほめたたえておいでになる。そのため、ガンジス河の砂の数ほどもある東の仏がたの国々から、数限りない菩薩たちがみな無量寿仏のおそばへ往き、その仏を敬って供養するのであって、その供養は菩薩や声聞などの聖者たちにまで及んでいる。そうして教えをお聞きして、人々にその教えを説きひろめるのである。南・西・北・東南・西南・西北・東北・上・下のそれぞれにある国々の菩薩たちも、また同様である」


“一乗大智海の誓願を成就された”について
親鸞聖人の教えで重要な誓願一仏乗について学びましょう。(教行証文類行巻 「一乗釈」「海釈」 註釈版聖典195頁