「21世紀の浄土真宗を考える会」ブログ(アーカイブ)

親鸞会除名後、多くの方に浄土真宗を伝え2012年7月にご往生された近藤智史氏のブログ

2024-04-09から1日間の記事一覧

因果経って? 補足の補足

2009/10/10(土)『開目抄』(日蓮著)に心地観経に云く「欲知過去因見其現在果、欲知未来果見其現在因」とありますよ。と教えて下さる方がありました。それは知っておりましたけれど、『心地観経』(正式には『大乗本生心地観経』)にはそういう言葉はありま…

易往而無人

2009/10/10(土) 「易往而無人」について述べられているお聖教のご文です。教行信証のご文の意味は「易しいので、かえって疑う。だから難しい」とでもなりましょうか。蓮如上人も、易往而無人の説明の前に「あら、やうもいらぬとりやすの安心や」「あら、ここ…

宿業 因果の道理

2009/10/09(金)梯 實圓和上まだ「因果の道理」について誤解している人が多いようですので、再び、梯實圓師の文を引用させて頂きます。季刊せいてん №50 (2000 春の号)口伝鈔/善悪二業 (口伝鈔第四章) より(途中からです pp47-49) このよ…

因果経って? 補足

2009/10/09(金)ついでですが『因果経』という言い方が厳密ではありません。一切経(大蔵経)の中には『過去現在因果経』という経典があります。その写本の一種である『絵因果経』も有名です。偽経(疑経)の中には『善悪因果経』というものがあります。『因…

因果経って?

2009/10/09(金)浄土真宗親鸞会の「教学聖典」では出典が『因果経』となっている、有名な言葉に「経言 欲知過去因 当観現在果 欲知未来果 当観現在因」(経にいはく 過去の因を知らんと欲すれば まさに現在の果を観るべし 未来の果を知らんと欲すれば まさに…

唯信鈔文意を読む 5

2009/10/09(金)唯信鈔文意の第2章 法照禅師『浄土五会念仏略法事儀讃』巻本中漢讃4句の最後の句「観音勢至自来迎」の説明部分原文は長いので「註釈版聖典701-703頁」をご覧下さい。“「観音勢至自来迎」といふは、~すなはちといふはときをへず日を…

唯信鈔文意を読む 4

2009/10/08(木)唯信鈔文意の第2章 法照禅師の『浄土五会念仏略法事儀讃』巻本中漢讃4句の第3句を説明されたところです。【原文】「但有称名皆得往」といふは、「但有」はひとへに御なをとなふる人のみ、みな往生すとのたまへるなり、かるがゆゑに「称名皆…

浄土門の因果の道理

2009/10/07(水)梯 實圓和上浄土真宗親鸞会の講師の人が自分のブログで、「因果の道理」を書こうとしています。「書けば書くほど浄土真宗から離れていきますので、ほどほどになされた方がいいでしょう。」と警告を発しましたが、懲りずに続けておられます。梯…

御和讃を読む その1の補足の追加

2009/10/07(水)利他の信楽うるひとは願に相応するゆゑに教と仏語にしたがへば外の雑縁さらになし(高僧和讃 善導讃 註釈版聖典592頁)「願に相応する」を「弥陀が見抜かれたとおりの、絶対助からぬ逆謗でありました」と疑いが晴れる。と思っていたら、い…

御和讃を読む その1の補足

2009/10/07(水)利他の信楽うるひとは願に相応するゆゑに教と仏語にしたがへば外の雑縁さらになし(高僧和讃 善導讃 註釈版聖典592頁)この御和讃の意味は以前述べましたが、間違えている人がいるようですので、もう一度説明します。前の説明とあわせて読…

他力といふこと

2009/10/06(火)他力については「浄土真宗聖典電子化計画」の「他力」を読まれるといいのですが、私も少し書きます。7月29日のエントリー「御和讃を読む」で取り上げた御和讃(高僧和讃 善導讃 註釈版聖典592頁)から。利他の信楽うるひとは願に相応する…

光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨

2009/10/05(月)蓮如上人御一代記聞書2より【原文】あさの御つとめに、「いつつの不思議をとくなかに」(高僧和讃・三三)より「尽十方の無礙光は 無明のやみをてらしつつ 一念歓喜するひとを かな らず滅度にいたらしむ」(高僧和讃・三八)と候ふ段のここ…

唯信鈔文意を読む 3

2009/10/05(月)唯信鈔文意の第2章 法照禅師の『浄土五会念仏略法事儀讃』巻本中漢讃4句の2番目の句です。この句については、2箇所に書かれている、2箇所目です。後ろの方に書かれています。【原文】おほよそ十方世界にあまねくひろまることは、法蔵菩薩…

阿弥陀仏の救い と 因果の道理

2009/10/01(木) 梯 實圓和上浄土真宗親鸞会の講師の人が自分のブログで、因果の道理を一所懸命に書こうとしていますが、書けば書くほど浄土真宗から離れていきますので、ほどほどになされた方がいいでしょう。親鸞会の講師ならば「亦因亦果」「非因非果」「…

唯信鈔文意と歎異抄を読む 2

2009/10/01(木)唯信鈔文意の第2章 法照禅師の『浄土五会念仏略法事儀讃』巻本中漢讃4句の2番目の句です。この句については、2箇所に書かれています。その1箇所目です。【原文】 「十方世界普流行」といふは、「普」はあまねく、ひろく、きはなしといふ…

唯信鈔文意と歎異抄を読む

2009/09/30(水)唯信鈔文意の第2章 法照禅師の『浄土五会念仏略法事儀讃』巻本中漢讃4句のさらに最初の1句を説明されたところです。【原文】「如来尊号甚分明 十方世界普流行 但有称名皆得往 観音勢至自来迎」(五会法事讃) 「如来尊号甚分明」、このここ…

機といふこと

2009/09/30(水)「機」の意味は、註釈版聖典の補註3に説明されています。はじめの部分だけ、ここに書きます。 機とは、法(教法)に対する言葉である。つまり、仏の教えをこうむるべき対象であり、法によって救済されるべきものをいう。 一般に機と衆生は同…

法然聖人と親鸞聖人の教えは違う!? 乃至一念について

2009/09/28(月)あるところで、「法然聖人と親鸞聖人の教えは違う」と言われていました。その理由として、第18願成就文の「乃至一念」の一念を、法然聖人は行の一念と釈され、親鸞聖人は信の一念と釈されたからというものでした。ちなみに、大無量寿経には…

唯信鈔の言葉 その2

2009/09/26(土)前回の記事で、「五逆の罪人、十念によりて往生す」という言葉がありましたが、これは観無量寿経の下品下生段の言葉です。唯信鈔には、この下品下生段の言葉と第18願文とを引かれて、称名念仏を薦められた章もありますので、この機会にお示…

宿善の厚薄 唯信鈔の言葉

2009/09/26(土)宿善のあつきものは今生にも善根を修し悪業をおそる、宿善すくなきものは今生に悪業をこのみ善根をつくらず。という唯信鈔の聖覚法印の言葉をもって、宿善の厚い人と薄い人がいるという説明をしている人がいます。しかし、この聖覚法印の言葉…

聴聞に極まる

2009/09/25(金) A:“聞いてさえおれば助かる”と “聞く一つで助かる”とは同じか異なるか?B:違います。 “聞いてさえおれば助かる”は間違いで、 “聞く一つで助かる”が正しいです。A:そうだね。B:(心の中で)やった。当たった! 信の座へ入れた。上の会…

疑心あることなし

2009/09/25(金)「聞」といふは、衆生、仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし、これを聞といふなり。(親鸞聖人)「仏願の生起本末」については以前書きましたので、今日は「疑心あることなし」についてです。これを「疑いの心が全く無くなった」と解釈す…

「称仏六字」といふは

2009/09/24(木)「称仏六字」といふは、南無阿弥陀仏の六字をとなふるとなり。「即嘆仏」といふは、すなはち南無阿弥陀仏をとなふるは仏をほめたてまつるになるとなり。(尊号真像銘文 本 註釈版聖典 655頁)〔聖典の脚注〕仏をほめたてまつるになる 本願…

称名について 不可称の続き

2009/09/24(木)「称名」の称も同じことです。本来、私たち凡夫に阿弥陀仏のお力の値は分かりませんから、はかることも、ほめることもできないのです。はかることができ、ほめることができるのは、仏だけなのです。これを「唯仏与仏の知見」と言います。(な…

不可称・不可説・不可思議 といふこと

2009/09/24(木) 親鸞聖人は「不可称・不可説・不可思議」という言葉をよく使っておられます。(順番は変わることがあります)このうち、不可説は「説くことができない」不可思議は「思議することができない、思議が及ばない」という意味であることは、すぐ分…

法界身の文

2009/09/23(水)「法界身」の文によって安心を建てるのは浄土宗西山派の流れであり、浄土真宗では本願成就文によって安心が建てられると言われます。しかし、それは決して「法界身」の教えが大事ではないということではありません。もう一度、法界身の文を見…

無碍といふこと 3 + 存覚上人のこと

2009/09/23(水)「法界身」のところで、存覚上人の言葉を引用しましたが、もう一度あげます。歎異抄第8章の言葉にも通じることがお分かりになると思います。ここで、『観無量寿経』の「諸仏如来はこれ法界の身」の「諸仏如来」が=「阿弥陀如来」であると説明…

方便といふこと 4

2009/09/22(火)このような解釈を見かけました。(平成21年8月15日、浄土真宗親鸞会発行の顕正新聞)無上の信心と善巧方便「釈迦弥陀は慈悲の父母 種々に善巧方便し われらが無上の信心を 発起せしめたまいけり」(高僧和讃) 弥陀の善巧方便とは19願、20願で…

方便といふこと 3

2009/09/22(火)梅原眞隆和上方便についての、蓮如上人御一代記聞書の言葉を示します。引用:蓮如上人聞書新釋(梅原眞隆著 本願寺 ISBN4-89416-438-8)但し、原文は真宗聖典註釈版によります。(176) 蓮如上人仰せられ候ふ。方便をわろしといふことはあるまじ…

宿善といふこと 3

2009/09/22(火)梅原眞隆和上宿善に関して、もう一つ蓮如上人御一代記聞書の言葉を出しましす。引用:蓮如上人聞書新釋(梅原眞隆著 本願寺 ISBN4-89416-438-8)但し、原文は真宗聖典註釈版によります。(234) 他宗には法にあひたるを宿縁といふ。当流には信を…