2009/10/09(金)
ついでですが『因果経』という言い方が厳密ではありません。
一切経(大蔵経)の中には『過去現在因果経』という経典があります。
その写本の一種である『絵因果経』も有名です。
偽経(疑経)の中には『善悪因果経』というものがあります。
『因果経』だけではどちらの書か分かりません。
(日本では通常『善悪因果経』を指すのかもしれませんが、それはあくまでも俗称でしょう)
この『善悪因果経』の中にも「例の言葉」はありません。
ただし、平安時代の説話集『日本現報善悪霊異記』(『日本霊異記』)の中に
“『善悪因果経』に「例の言葉」と説かれている”
と書かれていると言う人(日蓮正宗系の人)もいますが、真偽のほどはどうでしょうか?
いずれにせよ
「勿論、一切経(経典)に出ていない言葉である。」
ことは動かせない事実です。