2009/09/09(水)
これから、普通に歎異抄第4章の話をしてゆきます。
慈悲に聖道・浄土のかはりめあり。聖道の慈悲といふは、ものをあはれみ、かなしみ、はぐくむなり。しかれども、おもふがごとくたすけとぐること、きはめてありがたし。浄土の慈悲といふは、念仏して、いそぎ仏に成りて、大慈大悲心をもつて、おもふがごとく衆生を利益するをいふべきなり。今生に、いかにいとほし不便とおもふとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし。しかれば、念仏申すのみぞ、すゑとほりたる大慈悲心にて候ふべきと[云々]。
まず、妙音院了祥師の「歎異抄聞記」に添えられている科文は次のようものになっています。(少しアレンジしています)
第四章 慈悲差別章
念仏大悲 二
初、総示慈悲別(慈悲に聖道・浄土のかはりめあり。)
二、別示 三
初、聖道慈悲 二
初、示其体(聖道の慈悲といふは~)
二、示其劣(しかれども、~)
二、浄土慈悲 二
初、示其体(浄土の慈悲といふは、念仏して)
二、示其勝(いそぎ仏に成りて、大慈大悲心をもつて、~)
三、結成勝劣 二
初、示聖道劣(今生に、~)
二、成浄土勝(しかれば、~)
簡単に言いますと、
1.聖道の慈悲と浄土の慈悲の別があること
2.聖道の慈悲とは
3.浄土の慈悲とは
4.浄土の慈悲が聖道の慈悲に対して勝れていること
となりましょうか。
第4章は「慈悲とは何か」「聖道・浄土とは何か」ということがある程度分かっている人に対して言われた言葉だと思われます。
しかし、はじめて仏教・浄土真宗に触れる人に解説する時には、これらの言葉の説明は必要だと思います。
そこで今後の展開としては
1.慈悲についての一般的な説明
2.聖道・浄土
3.慈悲についての説明(衆生縁・法縁・無縁の三縁について)
4.往相回向と還相回向
5.善鸞事件との関係
6.その他の特記事項
など、少しずつ書きたいと思います。