「21世紀の浄土真宗を考える会」ブログ(アーカイブ)

親鸞会除名後、多くの方に浄土真宗を伝え2012年7月にご往生された近藤智史氏のブログ

親鸞会教学聖典のちょっとした研究 まだ途中です 

2009/11/07(土)

昨日は、親鸞会の教学聖典に取り上げられているお聖教の言葉を、出典別に分類しておりました。
多少の数え間違いは御寛恕願うとして、次のような結果となりました。
これに基づいた分析は漸次していきたいと思います。
少しだけ言いますと、(順不同です)

1.阿弥陀仏の48願中、設問にあるのは、第17願、第18願、第19願、第20願の4願のみです。
  以前のテキストにあった、第11願、第12願、第13願がありません。
  また、同じく以前のテキストにあった五願開示がなくなっています。

2.一方、以前指摘したように、三毒五悪段からの設問は8あります。
  しかも、多くの人が勉強する1冊目に五悪段の文が5つあります。

3.法然聖人からの設問は、一枚起請文の1つだけです。
  信心同異の諍論の「信心のかはると申すは・・・」を数えても2つだけです。
  有名な「三選の文」すらありません。
  これは、『教行信証』に『選択集』からの引文が少ないからとも考えられますが、『教行信証』と『選択集』の関係が分かっていないためなのか、故意に法然聖人を無視したのかは分かりません。

4.経典からとされている出典はかなりあいまいです。
  また、すでに指摘したように、
   善導大師の言葉とされる「一人一日・・・」→正しくは浄土菩薩経
   蓮如上人の歌とされる「火の中を・・・」→正しくは花園天皇
   経文とされる「恩を知るは・・・」→正しくは大智度論
  は明らかな間違いです。
  その他存在不明の「御遺言鈔」は省いてあります。

5.この出典の分布だけでは分からないですが、実際に話されていることを加えてみると、覚如上人からの引用が大変多いのが特徴です。

親鸞聖人 164
(内訳)
 教行信証     52(正信偈を除く)
 正信偈      11
 和讃       64
 末灯鈔・御消息  15
 一念多念証文   7
 尊号真像銘文   6
 唯信鈔文意    4
 愚禿鈔      2
 浄土文類聚鈔   2
 御臨末の御書   1

覚如上人  19
(内訳)
 改邪鈔   7
 口伝鈔   5
 執持鈔   4
 御伝鈔   3

存覚上人   6
(内訳)
 浄土真要鈔 2
 浄土見聞集 1(出典記載なし)
 諸神本懐集 1(出典記載なし、「経文」とある)
 歎徳文   1
 持名鈔   1

蓮如上人  77
(内訳)
 御文章   52(帖外を除く)
 御一代記  19
 帖外御文   1
 夏御文     1
 領解文     1
 一宗意得之事  1
 空善記     1
 間違い     1(火の中を・・・)

無量寿経 31
(内訳)
 証信序   1
 発起序   1
 讃仏偈   1
 法蔵選択  1
 四十八願  5
 重誓偈   1
 光明無量  2
 念仏往生  3(第17願、第18願成就文)
 三輩往生  2
 行徳円満  1
 三毒訓誡  3
 五悪訓誡  5
 胎化段   2
 流通分   3

観無量寿経  5

阿弥陀経   3

その他経典 25
(内訳)
 涅槃経    6
 般舟経    2
 大集経    2
 観仏三昧経  2
 楞伽経    2
 大阿弥陀経  1
 因果経    1?(汝ら、過去の因を知らんと・・・)
 賢愚経    1
 法華経    1
 阿含経    1?(因果応報なるが故に・・・)
 華厳経    1
 雑宝蔵経   1
 仏蔵経    1
 浄土菩薩経 1?(善導大師の言葉と誤解)
 梵網経    1
 その他    1(七仏通誡偈、これの出典は複数の経典)

龍樹菩薩   1(大智度論
曇鸞大師   4
善導大師  13
源信僧都   1(横川法語)
法然聖人   1(一枚起請文の一部)

聖徳太子   1

隆寛律師か  1(後世物語聞書)
聖覚法印   1(唯信鈔)

歎異抄    11
安心決定鈔   3