2009/11/07(土)
昨日は、親鸞会の教学聖典に取り上げられているお聖教の言葉を、出典別に分類しておりました。
多少の数え間違いは御寛恕願うとして、次のような結果となりました。
これに基づいた分析は漸次していきたいと思います。
少しだけ言いますと、(順不同です)
1.阿弥陀仏の48願中、設問にあるのは、第17願、第18願、第19願、第20願の4願のみです。
以前のテキストにあった、第11願、第12願、第13願がありません。
また、同じく以前のテキストにあった五願開示がなくなっています。
2.一方、以前指摘したように、三毒五悪段からの設問は8あります。
しかも、多くの人が勉強する1冊目に五悪段の文が5つあります。
3.法然聖人からの設問は、一枚起請文の1つだけです。
信心同異の諍論の「信心のかはると申すは・・・」を数えても2つだけです。
有名な「三選の文」すらありません。
これは、『教行信証』に『選択集』からの引文が少ないからとも考えられますが、『教行信証』と『選択集』の関係が分かっていないためなのか、故意に法然聖人を無視したのかは分かりません。
4.経典からとされている出典はかなりあいまいです。
また、すでに指摘したように、
善導大師の言葉とされる「一人一日・・・」→正しくは浄土菩薩経
蓮如上人の歌とされる「火の中を・・・」→正しくは花園天皇
経文とされる「恩を知るは・・・」→正しくは大智度論
は明らかな間違いです。
その他存在不明の「御遺言鈔」は省いてあります。
5.この出典の分布だけでは分からないですが、実際に話されていることを加えてみると、覚如上人からの引用が大変多いのが特徴です。
親鸞聖人 164
(内訳)
教行信証 52(正信偈を除く)
正信偈 11
和讃 64
末灯鈔・御消息 15
一念多念証文 7
尊号真像銘文 6
唯信鈔文意 4
愚禿鈔 2
浄土文類聚鈔 2
御臨末の御書 1
覚如上人 19
(内訳)
改邪鈔 7
口伝鈔 5
執持鈔 4
御伝鈔 3
存覚上人 6
(内訳)
浄土真要鈔 2
浄土見聞集 1(出典記載なし)
諸神本懐集 1(出典記載なし、「経文」とある)
歎徳文 1
持名鈔 1
蓮如上人 77
(内訳)
御文章 52(帖外を除く)
御一代記 19
帖外御文 1
夏御文 1
領解文 1
一宗意得之事 1
空善記 1
間違い 1(火の中を・・・)
大無量寿経 31
(内訳)
証信序 1
発起序 1
讃仏偈 1
法蔵選択 1
四十八願 5
重誓偈 1
光明無量 2
念仏往生 3(第17願、第18願成就文)
三輩往生 2
行徳円満 1
三毒訓誡 3
五悪訓誡 5
胎化段 2
流通分 3
観無量寿経 5
阿弥陀経 3
その他経典 25
(内訳)
涅槃経 6
般舟経 2
大集経 2
観仏三昧経 2
楞伽経 2
大阿弥陀経 1
因果経 1?(汝ら、過去の因を知らんと・・・)
賢愚経 1
法華経 1
阿含経 1?(因果応報なるが故に・・・)
華厳経 1
雑宝蔵経 1
仏蔵経 1
浄土菩薩経 1?(善導大師の言葉と誤解)
梵網経 1
その他 1(七仏通誡偈、これの出典は複数の経典)
龍樹菩薩 1(大智度論)
曇鸞大師 4
善導大師 13
源信僧都 1(横川法語)
法然聖人 1(一枚起請文の一部)
聖徳太子 1
隆寛律師か 1(後世物語聞書)
聖覚法印 1(唯信鈔)
歎異抄 11
安心決定鈔 3